教育論①
民主主義の教育理論
「主権在民、多数決主義、権利の平等などの民主主義の原則を守りながら、他人の権利を尊重し、自己の責任を果たし、その上で民主的市民を養成すること」
教育理論は、
「教育哲学」
(性相:教育の理念・目標・方法など)と
「教育科学」
(形状:教育課程[カリキュラム]・教育評価・学習指導・生徒指導・教育行政・教育経営など)に分けられる。
統一思想では、「教育哲学」に注目している。
教育とは、
神に似るように子女を養育せしめることであり、子女が神に似る(神相と神性に似る)ように導く努力である。
人間は、生まれながらにして、
神相をもっているが、
極めて未熟な状態であり、
成長しながら次第に似ていく。
神相もそうである。
三大祝福(完全性・繁殖性・主管性)において、教育の理念が立てられる。
○完全性
性相と形状が心情を中心として円満な授受作用を行い、合性一体心をなしている状態。
生心と肉心が1つになるとは、
真善美の生活を第一次的に
衣食住の生活を第二次的にすること
霊人体の成長=心霊基準の向上
「第一の予約祝福」
○繁殖性
人間が子女繁殖の段階にまで成長すること
夫婦の調和
夫としての道理、妻としての道理を果たすことができる段階まで成長する
「第二の予約祝福」
○主管性
創造性に似る。(教育論②を参照)
心情(愛)を中心として、
対象(新生体)をつくる能力
心情を中心として、万物を主管する
産業活動←アイデアと創意によって成功する
社会を主管=政治
「第三の予約祝福」
#統一思想研究
価値論⑤
中世
○アウグスティヌス(354〜430)
創造論(無から創造)
信仰・希望・愛
○トマス・アクィナス(1225〜1274)
徳には、「神学的徳」(信仰・希望・愛◎)と「倫理的徳」(知恵・勇気・節制・正義)がある
近世
○デカルト(1596〜1650)
「われ思う、ゆえにわれあり」
理性によって行動する
○パスカル(1623〜1662)
「人間は考える葦である」
信仰によって幸福に至る
○カント(1724〜1804)
真・善(道徳)・美
○ベンサム(1748〜1832)
「最大多数の最大幸福」
功利主義←産業革命
形状的な価値観
○キルケゴール(1813〜1855)
信仰をもって、神の前に立って生きることを説く
○ニーチェ(1844〜1900)
「権力への意志」
神なき世界を力強く生きようとした
○デューイ(1859〜1952)
相対的な価値多元論
共産主義(宗教を否定し、破壊すること)
トゥガリノフ(1898〜1978)
「価値とは、歴史的に特定な社会または階級に属する人々に、現実のものとして、または目的ないし、理想として有用であり、必要であるところの、自然および社会の現象である」と定義している
☆新しい価値観の出現の必然性
科学者は、価値を度外視して、事実のみを研究しているため、兵器・自然破壊・公害が発生している
正しい価値観で、科学を導く
#統一思想研究
価値論④
〜価値観の歴史的変遷〜
○ギリシャ時代 BC6c
自然哲学(唯物的)
万物の根源
水(タラス)火(ヘラクレイトス)原子(デモクリトス)空気(アナクシメネス)無限定なもの(アナクシマンドロス)
↓
BC5c
相対主義 懐疑主義(真理は全く存在しない)
ソフィスト
弁論、詭弁
↓
ソクラテス(BC470〜399)
「徳は知である」
実践(知行合一)
他人との対話
ギリシャ哲学 二元論(神と物質が対立する)
○ヘレニズム時代
(アレクサンドロス大王(BC356〜323)がペルシャ帝国を滅ぼしてから、ローマ軍がエジプトを征服するまで)
ストア学派
「自然に従って生きる」
禁欲を主張
エピクロス学派
個人的快楽を善とした
快楽とは、「肉体において苦しみのないことと霊魂において乱れがないこと」
懐疑論
一切の判断を中止せよ
○ローマ時代
新プラトン主義
プラティノス 一元論(神からすべてが出てきた)
#統一思想研究
価値論③
ニーチェ・フォイエルバッハ・マルクス・ラッセル・サルトルなどによって、
神の存在が否定された。
○キリスト教の価値観の脆弱性
共産主義者は、絶対的愛・人類愛を否定する。
利害が対立している社会において、
階級を越える愛は、ありえないとみる。
階級愛・同志愛であるとみる。
そして、人類愛を実践できないと主張する。
○儒教の価値観の脆弱性
天を明確に説明されていないため、
階級支配の合理化のための手段として
批判された。
○仏教の価値観の脆弱性
修行だけで現実問題の根本的解決は不可能
修行は、現実からの逃避であり、問題解決の回避で偽善と批判される。
○イスラム教の価値観の脆弱性
教派間・他宗教との対立が価値観の説得力を
喪失させている。
○人道主義価値観の脆弱性
人間は、何か
人間として最も大切なものは、
何かが明確でない。
☆神の存在に確信がもてないと、
神観や愛感に説得力がなくなる。
価値観の統一とは、
価値(特に善の価値)の判断基準を
一致させること
そのためには、すべての宗教の徳目は、
絶対的価値の様々な表現形態であり、
絶対愛を実現するためにあるという事実を
明らかにする。
そして、新しい価値観は、
それぞれの宗教の価値観を完全に否定して、
全く新しく立てられるのではない。
☆価値観を蘇生させる
新しい価値観の根拠
・神学的根拠
神は、心情の神であること
三大祝福(人格、家庭、主観性)を完成すること
・哲学的根拠(合理的な説明)
自然や宇宙の観察を通じて、
性相面 倫理法則(授受法:授受作用の法則)と
形状面 科学的な法則が対応関係がある。
☆授受法の特徴
相対性、目的性と中心性、調和性、秩序性と位置性、個別性と関係性、自己同一性と発展性、円環運動など
宇宙の秩序(縦横)→家庭秩序(縦横)
・歴史的根拠(歴史論参照)
善と悪の戦いによって、
歴史をより善の方向に転換させるものであった
民族の理想、人類の理想は、
善なる明るい平和な世界で、
幸福な世界の実現であった。
#統一思想研究
価値論②
価値は、
主体の「価値追求欲」「対象への関心」「主観的要因」(主体の思想、世界観、趣味、個性、教養など)の条件と、
対象の創造目的を中心とした相対的相互間の
「調和」の条件によって、決定される。
それぞれの人によって、価値観が異なる。
すべての宗教・文化・思想・民族などを存在せしめた根源者が1つ(神の属性、創造目的、宇宙創造の法則、ロゴスなど)であることを明らかにし、その根源者に由来する共通性を発見すればいい。
根源者は、唯一神で、
それぞれの宗教で呼び方が異なる。
ユダヤ教 ーヤーウェ
イスラム教 ーアッラー
ヒンドゥー教 ーブラフマン
仏教 ー真如
儒教 ー天
キリスト教 ー神
兄弟の宗教!
共通性は、
神の真の愛(絶対的愛)と
神の真の真理(絶対的真理)
それぞれの宗教で、神の愛について説いている。
神の愛
キリスト教 ーアガペー
仏教 ー 慈悲
儒教 ー仁
イスラム教 ー慈愛
実践についても説いている。
自分のために存在しているのではなく、
他のため、全体のため、神のために存在している。
「ために生きる存在」
↓
普遍的な善悪の基準は、
他人(人類)のために生きるか、
自己中心的に生きるか
絶対的基準が立てられ、世界万民の価値判断(決定)が一致すると、いうと個性は、どうなるのか?
結論としては、個性は、生かされる。
無視やなくなることは、ない
個人差はある。
差異性は、質的ではなく、量的な差異である。
例えば、
「貧しい人を助ける」ことについて考える。
善として判断されるが、
人によって評価は、変わる。
「大いに善」という人や、
「中程度に善」「普通の善」など
評価は、それぞれだ。
#統一思想研究
価値論①
今まで、神を排除し、宗教を軽視してきた。
宗教的価値観の衰退
絶対者である神の真の愛を中心とした
絶対的価値観
(知情意の機能に対応する価値観)
↓
真実社会ー教育論
芸術社会ー芸術論
倫理社会ー倫理論(総論)
人格
…心情を中心として知情意の機能が、調和的発達した品格
価値は、
精神的価値と物質的価値に分けられる。
統一思想では、精神的価値に注目している。
精神的価値は、
主体(主観)の欲望を充足させる
対象の性質である。
目的にも、欲望にも、二重性がある。
目的は、
性相的目的(生心:真美善愛を求め)と
形状的目的(肉心:衣食住性を求め)があり、2つを合わせて、「ニ性目的」という。
欲望は、大きくいうと、
「創造目的を実現するため」にあり、
個体目的のための「価値実現欲」と、
全体目的のための「価値追求欲」がある。
生心にも、全体目的・個体目的
肉心にも、全体目的・個体目的がある。
したがって、
性相的目的に「価値実現欲」と「価値追求欲」
形状的目的に「価値実現欲」と「価値追求欲」
がある。
価値には、「実現価値」と「追求価値」がある。
#統一思想研究